こんにちは、カタリストの土居純です。僕はスマートニュースで、社内のコミュニケーションを活性化し、従業員がより高いパフォーマンスを発揮できるような仕組みを考え、形にする仕事をしています。「カタリスト」という仕事の一部をスマQ記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
カタリストの仕事は多岐にわたるのですが、僕が常日頃考えているのが社員食堂「SmartKitchen」のアップデートです。スマートニュースでは国籍問わずさまざまな人材を採用し、グローバルな組織づくりを進めています。そんななかで「SmartKitchenはどうあるべきなのか」ということを、国内外問わずいろいろな企業を視察しながら手がかりを探しています。
今回はサンフランシスコへ出張し、Airbnbの本社と、サニーベールのGoogleオフィス、そしてマウンテンビューにあるGoogle本社(Googleplex)の社員食堂を訪問しました。
提携農家の紹介ポスターがずらり。こだわりのつまったAirbnb本社
サンフランシスコに到着して、まず最初に訪れたのはAirbnbの本社です。SoMa地区に複数のオフィスビルを構えるAirbnb。こちらの本社ビルは888 Brannan Streetの一角にあります。
エントランスを抜けると……
開放感のある空間が広がっていました。ガラス張りのエレベーターがかっこよくて、まるでホテルのロビーのようです。プライド・パレードの開催時期ということもあり、壁面にはレインボーフラッグがかかっていました。
Airbnb本社のカフェテリアスペース「the eatrium」は、こちらの写真の右奥にあります。
かわいいイラストの案内板がお出迎え。
「the eatrium」では、無料で食事が提供されます。
料理はすべて併設のキッチンで、一からつくられているようです。
この日のメインランチは、エルサレムをテーマとした一皿です。あわせて、エルサレムに存在するAirbnb掲載物件もメニューに載っていました。こういったところにも、Airbnbという会社のこだわりが見えてきます。
カフェテリアには「KNOW WHAT YOU ARE EATING」というパネルが用意されていました。アレルギーがありそうな食材やお肉の有無、ビーガン対応といった情報が、各メニューに掲載されているアイコンを見れば直感的にわかるようになっています。
提携している農場や、農家さんの紹介ポスターも並んでいました。TwitterやLinkedInなど、アメリカのIT企業の社員食堂を訪れると「どんな食材を使っているのかわかるようにする取り組み」が、ここ数年で進んでいるなと実感します。できるだけローカル食材を使用し、「生産者への感謝」を大切にしていることに心打たれました。
カフェテリアの奥にはカジュアルなイートスペースがあり、全体会議を行うこともあるそうです。
食器を下げるスペースは、洗い場直結。今のSmartKitchenは建物の都合上、食器を下げる場所と洗い場が少し離れています。もし新しいオフィスで社員食堂を立ち上げる機会があれば、次は食器を下げる場所と洗い場を近くに設計するのがよさそうです。
Airbnbのオフィスは全体的におしゃれなデザインで、最近では社員による有料のオフィスツアーもスタートしたのだとか。またAirbnb本社を訪れる機会があれば、ぜひ参加してみたいです。
ランチを堪能したあとは、Airbnb本社から徒歩数分の場所にある、999 Brannan Officeにもお邪魔してきました。
オフィスに入ると、左右に洗練された会議室が並んでいました。会議室のデザインは、Airbnbに掲載されている上位ランキングの部屋をモチーフにしているのだとか。オフィスデザインから、その会社のこだわりやカルチャーが見えてくるのが面白いですね。スタイリッシュなだけじゃなくて、Airbnbらしいストーリーが込められた素敵なオフィスでした。
16:00〜18:00はクラフトビールのビアサーバーを利用できます。Airbnbで働く人たちは、夕方になると数種類のクラフトビールを飲みはじめるそうです。楽しそう!
味付けは優しく、量は控えめ、サラダは新鮮。サニーベールのGoogleオフィス
Airbnb本社の次に訪れたのは、サニーベールにあるGoogleのオフィスです。
とにかくキャンパス内が広い!
5分ほど自転車を走らせ、とあるビルに到着。
敷地の中には複数のビルがあり、どのビルにもカフェテリアがあるそうです。今回は、なかでもおいしいと評判の「LEVAIN」を訪問することにしました。
食事は無料です。社員バッジを端末にかざすことで、誰が食べたかを記録するような仕組みになっていました。
メインを頼んでから、サイドメニューを好きなだけ選べます。各料理の立て札には原材料が書かれているので、アレルギーや、その他の理由で避けるべき食材がある人にも安心です。
料理は、名前を呼ばれたら受け取りに行くスタイルです。こちらが注文したフライドチキンとサラダ。味付けは優しく、量は控えめで、サラダは新鮮でした。
なんでも、食べ物がおいしすぎてたくさん食べてしまい、入社1年後に体重が15ポンド(約6.8kg)増えることを「Google15」と言うのだとか。
食べ物を粗末にしないでね、と呼びかけるポスターが貼られていたのも印象的でした。
カフェテリア以外にも、キャンパス内にはフードカートや、ちょっとしたスナック類、飲み物が置かれているコーナーがありました。ここで食べたビーガン向けのクレープがとてもおいしかった!
こちらは噂に聞いていたドリンク用の冷蔵庫。目に入りやすい位置には健康的な飲み物を置いていて、下の方にはカロリーが高いジュースが入っていました。目に入りにくいよう、扉のガラスにスモークがかかっています。社員の健康に配慮しての取り組みなんだろうな。
LinkedInなどのIT企業が本社を構える人気のサニーベールエリア。今回訪れたこのオフィスは新しく、Googleが一から設計を手がけたキャンパスです。モダンで綺麗な施設でした。
食事がおいしかっただけでなく、カロリーの高い飲み物が入った冷蔵庫の窓をスモーク加工するなど、社員の健康への配慮が素晴らしいと思いました。
目に入りやすく手に取りやすい点など、オペレーションの工夫次第で改善できることは、スマートニュースでも積極的に取り組んでいきたいです。
無料社員食堂の先駆け。マウンテンビューのGoogle本社「Googleplex」
サンフランシスコ滞在中、最後に訪れたのが、マウンテンビューのGoogle本社。通称「Googleplex(グーグルプレックス)」です。マウンテンビューのキャンパスはとても広くて開放的。サニーベールのオフィスとはまた違った雰囲気です。
ビルのエントランスにはゲストバッジ用のkioskがあり、あらかじめ登録されたゲスト用バッジをプリントアウトします。他のGoogleオフィス同様、こちらのキャンパスでも食事をする人は社員バッジをかざすことでカウントされるシステムのようです。
僕がカフェテリアを訪れたのは18:30ごろ。ディナーを食べている人たちで賑わっていました。
西海岸のIT系企業はインド出身のエンジニアが多いからか、どこもかしこもインド料理がおいしいです。
日本では珍しいアーティチョークのスープも。スープ好きな僕には嬉しい。
ピザもおいしそう。人気メニューのようで、みんな次々に手にとっていました。
無料の社員食堂の先駆けとして有名なGoogle。提供されている料理のレベルの高さは、噂に聞いていた通りでした。多様な人種が働くグローバル企業では、ダイバーシティを重んじて多様な食事を提供する必要があります。アレルギー、ビーガン、ハラル対応などを行いながらも、おいしくて上質な食事を提供していることに感銘を受けました。
食後にキャンパス内をお散歩しました。部活のひとつとして、キャンパス内で野菜を育てている社員もいるそうです。なんだか、ほっこりしちゃいますね。
サンフランシスコ&シリコンバレーの社食カルチャーを体感して
社内でおいしいランチを無料で食べられることが、最近のIT企業ではスタンダードになってきています。今回訪問したAirbnbとGoogleでは、味にこだわるだけではなく、健康や環境、従業員の多様性にも細やかに配慮をしたカフェテリア運営をしていました。また、ローカルな食材を利用したり、使用している食材をアイコンで表現するなどしてアレルギー対応を行なったりもしている点も印象的でした。
スマートニュースは日・米・中にオフィスを構えており(2019年7月現在)、世界中の多様な人材が集まる会社として成長を続けています。すべての従業員が高いパフォーマンスを発揮できるよう、より良い対応を考えアップデートしていくのがカタリストの使命だと考えています。これからも世界中のさまざまな企業を訪問して、SmartKitchenを「世界一の社員食堂」にするための手がかりを探していきます。
カタリストの社食探求の旅は続く。