その分析、アクションにつながりますか?――スマートニュースの意思決定を支えるData Science Team

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こんにちは。スマートニュースのData Science Team(以下、DS Team)に所属する小松です。直近では、広告プロダクト・広告営業関連の分析領域を主に担当しています。この記事ではチーム紹介として、DS Teamの会社内での役割や価値を出すための考え方についてお伝えします。

出身や国籍もさまざまなData Science Team

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スマートニュースのData Science Team

スマートニュースにおけるDS Teamの役割は、人間の意思決定に資する定量的分析を行うことです(いわゆるType A (Analysis) Data Scientistの集団です)。なお機械学習関連のプロダクト開発は、現時点ではほとんど別チームのエンジニアが担っています。

メンバーは現在5名。バックグラウンドだけでなく出身や国籍もばらばらで、日本・アメリカ・中国・台湾出身のメンバーがいます。業務上のコミュニケーションは日本語と英語、半々くらいで行なっています。例えば、SlackやGitHub上のコメントは英語で記述し、DS Team週次ミーティングではたまに日本語で話します。日本語話者ではない同僚も国内外にいますので、伝えたい層に応じて英語で発信するようにしています。

歴史的には、もともとはエンジニアやPMが一部の時間を使って分析をしていた時期がありました。そこから分析を主として実施するメンバーが徐々に増えていき、チームとして組成されるに至ったという経緯です。一方で、経営層も含めてデータの重要性への理解が根づいていたことにより、必要な支援が得られているという側面もあるかと思っています。

人が意思決定をするうえでのシグナルを、データから抽出する

チームが関わる領域としては、プロダクト開発・マーケティング・営業・メディアリレーション・経営と多岐にわたります。幅広い領域において、日々課題解決を支援しています。

「SmartNews」は消費者向けスマートフォンアプリでありながら、会社としては「媒体社さま」「広告主さま」「広告代理店さま」をはじめ、さまざまな企業さまとのビジネス関係があり、ステークホルダーは種類・数ともに多岐にわたります。そのため、事業課題やデータの複雑性が比較的高く、その分やりがいを感じることも多いです。

インターネットサービスに関わるデータは、データの量(レコード数)だけでなく、変数・特徴量の数も非常に多いため、ノイズも大きくなります。例えば、あるプロダクト機能の改善余地を推測して施策として実施するかどうかの判断をするのに、ノイズやバイアスが載っている期待値を示してしまうと、状況を的確に把握して意思決定しているのとは程遠くなってしまいます。そのような意味で、大量のデータとノイズの中から意思決定に有効なシグナルを抽出するということがDS Teamのミッションと言えると思っています。

Operating Principlesが、自由度とパフォーマンスの高い個人の動きを可能にする

DS TeamではOperating Principles(運営原則)というものを設定しています。各メンバーが取り組む課題はバラバラでも、チームとして一貫性をもつ方針を立てることで、迷う場面を減らしてより価値のある分析ができるようにする、というのが背後にある狙いです。

Operating Principlesは定期的に見直されていて、今は以下の通りです。

Operating Principles

  • Focus on actionable impact

  • Pride in both technical skills and business/product understanding

  • Accumulate, organize, and communicate assets and insights / knowhow

Focus on actionable impact
「影響力のあるアクションにつながる分析にフォーカスする」
詳細は後述します。

Pride in both technical skills and business/product understanding
「ビジネス・インパクトと数理統計/テクニカルスキルを両立しよう」という話です。
我々Data Scientistの職務は、主となる分析以外にも「新しいログの定義」「データパイプラインの開発」「ダッシュボード作成」「全社的に利用するデータ関連ツールの選定」「ビジネス課題の整理」と多岐に渡ります。そんななかでビジネスの理解もあるし、数理手法の知識やcodingのスキルも兼ね備えたData Scientistが力を発揮できる、と考えており日々研鑽を積んでいます。

Accumulate, organize, and communicate assets and insights / knowhow
「将来のことをしっかりと見据えて情報を整理していこう」という内容です。
分析のCodeをGitHubに蓄積して、将来似た分析を実施する際に再現しやすくしたり、事業課題に対する示唆はドキュメントにまとめたり、リンク集を整備したりして、あとから検索できるようにしていくことを意識しています。

「その分析、本当にアクションにつながりますか?」

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スマートニュースでは、多様な課題のなかで、貢献できるチャンスが無限にあると感じています。これはとても恵まれているのですが、その裏返しとして、多種多様な課題や依頼がたくさん舞い込んでくることになります。

例えば「KPIダッシュボードを見ていて過去の凹みは何だったのか分析してほしい」のような興味本位の依頼も含まれる場合があります。このような状況において判断基準として、Operating Principlesの1つ目である「Focus on actionable impact(影響力のあるアクションにつながる分析にフォーカスする)」という点が活かされます。

この基準をもとに多種多様なタスクの中から優先順位づけをして、すべての依頼を引き受けるのではなく、ときには依頼を断ることも意識しています。ただし、断らなければならないことがある分、信頼の積み重ねや日々のコミュニケーションが大事だと感じています。

分析テーマについては、依頼ベースのものとDS Teamから提案するもののバランスを考えています。課題を深く理解している人からの依頼から発生する分析のほうが、一般的には即効性があるケースが多いです。一方で「Data Scienceの方法論の観点から何ができるのか」ということに関しては、こちらから積極的に提案する必要がありますし、存在意義のひとつでもあると考えています。

スマートニュースのData Science Teamが活用するツール

日々登場する新しいツールも含めて試行錯誤しながら、Best Practiceを実現しています。ツールとしては、現時点では以下のようなものを利用しています。

ジャンル  ツール
Query Engine  Presto
Data Pipeline  Airflow
分析環境  JupyterHub(Python, Rともに1つのNotebookで利用可)
分析結果のレポート  Qiita, Google Docs, Slackなど状況に応じて
タスク管理  JiraのKanban

もちろん個別の分析や個人の好みに応じて、他にも利用することはできます。過去の分析を将来のためにアセット化する、という意味で、可能な部分は標準化する、という感じです。

Data Cultureを推進しつつ、各ドメインに深く入り込む

DS Teamは独立した組織として全社的なデータ戦略を描きつつ「メンバーが社内の各チームに組み込まれて組織貢献する」という動き方をしています。この体制の利点としては、会社の成長や事業環境の変化に応じて各事業領域のフェーズも変化するなかで、Data Scienceによるインパクトが大きい領域に注力する調整が柔軟にできる、ということだと思います。

また、社内のData関連の知見も蓄積しやすくなります。全社的な業務としては例えば、個人がそれぞれ実施していたA/Bテストの評価について統計的な観点での標準化ガイドラインやツールを作成したり、各チームが作成してきたテーブルやデータマートを1箇所で一覧できるようなドキュメントを作成・更新したり、KPIやダッシュボードが乱立している状況からオフィシャルなものを提示してメンテナンスしたり、ということが挙げられます。

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DS Teamのマネージャとの1on1

DS Team内のコミュニケーションとしては、マネージャとの1on1のほか、週1で集まって課題の提起や情報共有を行なっています。また半年に一度、チームオフサイトを実施しており、日頃は忙しくて考える余裕のない長期的な議論をしたり、Operating Principlesに対する振り返りや見直しもその場で行なったりしています。

今後は、DS Team内でもさらにテクニカルな役割分担を進めたり、逆に個人が新しい領域にチャレンジしたりということを含めて、貢献できる量を増やしていこうとしています。会社としてもチームとしても成長フェーズにある今、DS Teamも一緒にはたらく仲間を探していますので、もし興味のある方はお気軽にご連絡ください。

▽ 採用情報はこちら smartnews.workable.com

※おまけ※
DS Teamではオンオフのメリハリをつけ、Activityを通じて親睦を深めることも大事にしています。

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