サンフランシスコ移住1年。SmartNewsのプロダクトマネージャが考える、グローバルに働く秘訣

西岡悠平(Director of Product Management, Recommendation and Discovery)
西岡悠平(Director of Product Management, Recommendation and Discovery)

日本、USの双方で重点的にサービスを展開しているスマートニュース。USではニューヨーク / サンフランシスコのほか、パロアルトにも新オフィスがオープン。現地メンバーが日本オフィスと一丸となって、日々開発に取り組んでいます。

そんなUSのオフィスには、日本から移住して活躍しているメンバーもいます。昨年、家族とともにUSに移住し、サンフランシスコとパロアルトの2オフィスを行き来して勤務しているプロダクトマネージャの西岡悠平に、移住のきっかけや、移住による変化などを聞きました。(2019年4月に収録)

初期からプロダクト開発に集中できたスマートニュース

――入社から4年が過ぎた西岡さん。以前は楽天技術研究所にいたんですよね?

西岡 はい。その頃からレコメンデーションエンジンやマシンラーニングにかかわる先端技術開発を行なっていました。でも、もっとリアルなお客さんに近いところで働いてみたいという気持ちがあり……。合間に楽天市場の手伝いとかもしていたんですけど、以前から知り合いの階生さん(COO兼チーフエンジニア 浜本階生)から誘われて。少ない人数ですでに多くのお客様の役にたっていることに驚いて、2014年にスマートニュースにジョインしました。

まだ社員数が20人ちょっとの頃ですね。当初、スマートニュースには「プロダクトマネージャ」というロールが正式にはなかったのですが、開発をしながらサービスに対してのアイデアをいろいろ出しているうちに、会社としてもそういうロールを明示的につくることになり、自分はプロダクトマネージャの道を進むことにしていきました。

――入社当時で、覚えていることはありますか。

西岡 最初の数年は、自分も開発・運用をしていたのでいろいろ失敗もあって。土曜の朝に上がっていたアラートで、ちょっとした問題に気づいて「せっかくだから直しておくか」と手をつけたら、大きな障害を引き起こしてしまったり……。他のエンジニアに助けてもらって、事なきを得ましたが。

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――胃がめちゃくちゃ痛くなるやつだ! 大企業から、かなり小規模なスタートアップ企業への転身は、なかなかの決断だったんじゃないんですか。

西岡 実は楽天の前にも、大学の先輩が立ち上げたそこまで大きくない受託開発の会社で働いていたことがあったんですよ。自分は研究部所属で自社プロダクトをつくっていく役割だったのですが、第二受託開発部とこっそりと別名がついていて、受託開発していかないといけない状況で....。その頃と違って現在は日本にもスタートアップのエコシステムがしっかりと出来ており、スマートニュースは規模が小さい頃から、しっかりと調達をして、プロダクト開発に集中できる環境があり、社会にビッグインパクトを与えようという意欲がしっかりとあったので、不安はありませんでした。

――US移住は、昔から希望していたんでしょうか?

西岡 そうでもないんですよ。実際に話が出るまでは考えたことがなかった。具体的に話が進み出したのは、2017年夏頃ですかね。USのグロースと、それにともなうUS独自の機能開発や、USでのエンジニア採用に力を入れていこうということになり、気づいたら移住の話を経営陣としていて。プライベートでの将来を考えたときに「子供が小さいうちにそうした選択をとるのはアリかもしれない」とも思い、決意し、そこからビザ取得などの準備が始まりました。

大切なのは、エンジニアとしての実力に自信を持てるかどうか

――現在、西岡さんはどんな業務を担当しているのか教えてください。

西岡 実はプロダクトマネージャとは別にエンジニアマネージャもしています。USには自分以外に4人の優秀なエンジニアがいまして、彼らをリードする役割です。プロダクトマネージャとしては、2018年9月にジョインした、プロダクト開発最高責任者(Senior Vice President of Product)のJeannie Yangを上長として、主にUS独自の機能開発に取り組んでいます。特に大きいのが、2020年の大統領選に向けた、コンテンツのポリティカル・バランシング・アルゴリズムの改良です。

――ポリティカル・バランシング・アルゴリズム……SmartNewsに掲出される記事が、特定の政党や候補者に関するものに偏らず、ユーザーにバランスよくさまざまな記事が閲覧されるように、機械学習の精度をさらに向上させるというものですね。

西岡 アメリカ全体が注目していることに大きなインパクトを与えられる仕事なので、すごくワクワクしています。

――今はどちらにお住まいなんですか?

西岡サンフランシスコとパロアルトの中間くらいに住んでいて、サンフランシスコオフィスとパロアルトオフィスを行き来しながら勤務しています。

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サンフランシスコのMarket St.付近にて撮影

――実際に移住してみて、1年近く。苦労はありますか?

西岡 USのメンバーとは、日本にいるときから一緒に仕事をしていたので、カルチャー面でのギャップとかはなかったですね。英語は……新卒のときに外資系企業に入って以来、日本での業務のなかでも使ってきたので、すごく困るということはないですが……。

ただ、移住したからって、全然うまくなるわけではないのがつらい(笑)。大きなミスコミュニケーションが発生することはないんですけど……たとえば、Jeannieは、こちらをモチベートしてくれる言葉を、たくさん言ってくれるんですね。そういう表現や、流暢な表現を使いこなせるようになるには、もっと勉強が必要だと感じます。

逆に、少なくともエンジニアについては、自身の実力が一番重要だと思います。こちらのレベルを見たときに、日本人のエンジニアレベルが低いとは、ぼくは感じません。実力に自信を持って挑戦するのが大事かなと。

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――日本オフィスとの連携に関してはいかがですか?

西岡 時差が16時間あるので、時間調整は大変ですよ。ただそれは日本にいたときにUSオフィスとやっていたことと変わりません。ぼくは朝9時半ごろに子供を保育園に送ってから出社して、だいたい17時くらいに迎えに行くんですね。そこから家に帰って休んでから、夜に日本とのミーティングをやって寝る……という日が多いです。

ちなみに今、スマートニュースは「Squad(スクワッド)」という開発体制をとっています。これは、かいつまんで言うと、ひとつの目的のために、部署を横断して、目的にあわせた最小単位の人員で開発チームを構成し、意思決定の質と速度を高めるための枠組みです。当然、日米を横断したSquadもあるんですが、みんながクイックな情報交換をこまめにすることを心がけているので、スムーズに仕事ができています。

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子どもが産まれて、この世で一番なものが自分自身じゃなくなった

――USに移住して、良かったことはなんですか?

西岡 空の色ですかね?

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サンフランシスコでもひと際空が綺麗な「Pier39」

――……。もっと、エンジニアに響きそうなことはありませんか?

西岡 すみません……。パロアルト〜サンフランシスコのエリアには、IT系の優秀な人たちがたくさん集まっているので、そういう人たちと話す機会が日常的にあるというのが、非常に大きなメリットですよね。

みんなロジカルだしパッションがあって、話していると元気になる。まさにJeannieが、その一人ですけど。進行中のプロジェクトについての相談をすると、最初はしっかりと聞いてくれて、そのあと整理して、最後はこちらのCheerUpをしてくれる。Jeannieに限らず、ネクストアクションに対しての意識がストイックな人が多いなとは思います。

あと面白いのが、こちらのスタートアップが売り込みをかけにくるとき。日本だったら普通、資料持ってくるじゃないですか。手ぶらできてぶわーっとしゃべるんですよ。

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――度胸がある。

西岡 プレゼンに対しての度胸が、日本とは違う感じはします。それと関連するかはわからないけど、こっちの人は、ミーティング中も、ペンとノートを使っているパターンをよく見かけるかも。「しゃべる」ことが重要なので、ノートパソコンに目を落とさず、相手の顔を見ることを大切にしている気がします。

あと個人的には、ほんとうは社内だけじゃなく、社外のエンジニアともたくさん交流したいんですけど、子育てで忙しいので、なかなかミートアップなどに参加できてないのが惜しいですね。

――移住して、2人目のお子さんも生まれたんですよね。子育てで変わった部分も多いのでしょうか。

西岡 この世で一番なものが自分自身じゃなくなったのは、ぼくにとってとても大きかったです。仕事上の目的にも、当然影響しました。子供の20年後を考えたからこそ、US移住という選択肢に踏み出せたといえます。

サンフランシスコでも、日本でも、全人類に貢献できる会社

――先ほど「実力に自信を持てれば、USでも働ける」という話がありました。では、スマートニュースで一緒に働きたいのは、どういう人でしょうか?

西岡 「パッション」「スキル」「チームワーク」の3点をバランス良く持っている人でしょうか。ぼくが入ったときのスマートニュースは20人程度でしたが、今は日米あわせて150人を越える組織になっています。チーム間のつなぎ役になってくれる人や、コードレビューに進んで取り組んでくれる人など、お互いが足りない点を「拾う」人のことはとても尊敬しています。とにかく、スマートニュースには人間のできている人が多いなと思いますよ。一緒に働いていて、気持ちいいやつばかりですね。

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――最後に、スマートニュースで働くことに関心がある読者の方へ、メッセージをお願いします。

西岡 現在アプリの「SmartNews」は、日米あわせて4000万ダウンロードを突破しています。日本でも非常に伸びてますが、実はUSのニュースアプリのなかでも、屈指の成長を見せているんです。この前も、電車でSmartNewsを使っている人を見つけて、とてもうれしかったですね。

もちろん「スマートニュースに入ったら即USに赴任!」というわけではありません。ただ、出張の機会もありますし、日米間で行う英語のミーティングも多い。何より、「良質な情報」を配信するという目標は、全人類に貢献できる仕事だと思っています。「グローバル」というキーワードに関心がある人には、ぜひスマートニュースという選択肢を考えてほしいです!

4月のインタビュー後、スマートニュースには、新たにYoulin Li(Vice President of Engineering, Backend System and Foundation)が加わりました。最後に、西岡からの新たなコメントを掲載します。

「ついにですよ! 4年前、まだUSに1人もエンジニアがいないとき、ハイアリングのためにUSに1ヶ月半滞在していました。そのときから考えると、ここまで来たかと。Youlinジョインありがとう。ここから、USでの開発も加速されていって、グローバルで成功できるのでないかと、わくわくしています」

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