料理長の1日に密着。スマートニュースの社員食堂を支える哲学を聞いてみた

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「メンバーに健康的な食生活を」「社内外とのコミュニケーションの活性化を」。CEO鈴木健(以下、鈴木)のそんな思いから、スマートニュース株式会社では、全社員にランチを提供する社員食堂「SmartKitchen」をオープンしています。調理場はオフィスの中にあり、4〜5人の調理スタッフが、日々100人を超える人数の昼食をつくっています。

その取り組みは、多くのメディアにも取り上げられました。オフィスとガラス一枚隔てたキッチンの内部で、どのように調理が行われているのか紹介します。

社員の健康を守るオーガニック野菜

朝8時。静まり返ったオフィスのキッチンに調理スタッフが集まりはじめます。

調理場を仕切るのは、料理長の駒井勇樹さん。駒井さんは都内のイタリアンレストランで三年間経験を積んだのち、固定種や在来種の野菜に興味を抱き、渋谷区桜丘町にあった「daylight kitchen(デイライトキッチン)」というオーガニックカフェレストランに入社しました。当時、スマートニュースの社員がよくdaylight kitchenに通っていたことがきっかけとなり、鈴木がオフィスでのランチ提供を依頼、今では社員食堂『SmartKitchen』の料理長です。

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真剣な表情で現場を見守る料理長の駒井さん

ランチで使われるオーガニック野菜は、すべて当日の朝に調理されます。スタッフの手でひとつひとつきれいに泥を落とし、包丁でカットしていくため、野菜を切るだけで一時間以上かかることもあります。  

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野菜はすべてオーガニック。収量が少ないため、色々な農家さんと直接契約し、買い付けている

―― SmartKitchenのお野菜はすべてオーガニックなんですよね。

駒井さん そうですね。固定種在来種※注という野菜をメインに、その季節にとれる旬のお野菜を提供しています。だから冬にきゅうりやトマトが食べたい!とリクエストをいただくこともありますが、なかなか難しいこともあります。ジャンクフードのような濃い味付けが好きな方も多いでしょうし、健康面を考慮しつつ、飽きずにおいしく食べてもらうにはどうすればいいかなどの悩みはあります。けれど、CEOの一人である鈴木健さんは、社員のみなさんの健康を守ることへの意識がすごく高い方なので、こうして継続できています。

(※注 何世代にも渡り自然に育てられていく過程で淘汰され、その野菜本来の個性が定着し、遺伝的に安定している品種を固定種という。在来種は固定種の一種で、育った地域の環境に適応している野菜のこと)

オーガニック野菜は規格や収穫量などが不安定で、社食で必要な量を安定確保するのは、たやすいことではありません。けれど、それらを取り入れることで、社員の健康を守るだけではなく、有機栽培を行う農家の支援にも繋がり、食を通して社会と関わることができます。 「良質なものを世の中に届けたい」という当社CEOの思いは、この社員食堂のあり方にも込められています。

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駒井さん「前日に切ると野菜の鮮度が落ちてしまうので、当日の朝にカットした方がおいしいんですよね」

―― これからまだまだ社員数が増えていく予定ですけど、今後もずっと手でカットを……?

駒井さん 可能な限りは手でやりたいですね。ですが、手作業でやるにはどうしても時間と労力が必要になるので……これがもし200人分になったら大変かもしれませんが、僕の気持ちとしては、機械や既製品になるべく頼らず、自分たちで一から調理したいんです。既製品には添加物なども含まれていますし、野菜に限らず食材全てにこだわっているので、無添加・無化学調味料の食材を使って、みなさんに安心安全なものを食べて欲しいなと思っています。自分たちで手をかけて気持ちを込めた作ったご飯を提供したいです。その方が、僕も料理していて楽しいんですよね。

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量が多すぎてボウルに入りきらないので、流し台で水につかっている野菜たち

―― それにしても、すごい量の野菜ですね……。

駒井さん 野菜は、根や皮もおいしく食べられるところはできるだけ使います。だからSmartKitchenは、生ゴミが少ないです。

いよいよメイン料理、メンチカツの調理へ

メイン料理はメンチカツです。仕込みは前日の午後に完了しました。

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―― すごく重そうですね。

駒井さん ひき肉だけで14キロあります。ひき肉に混ぜる野菜は、だいたい2キロぶんくらいですかね。

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おおよそ16キロのタネを混ぜあわせる駒井さん。捏ね上げること20分……。

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キッチンの様子を見に来る社員の姿も。

そうして仕込んだタネを、当日の朝に手分けして形成していきます。

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タネにパン粉をつけている調理スタッフ

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一つ一つ、手作業で揚げていきます。 トングでメンチカツを持ち上げた時、手に伝わってくる振動で火の通り具合がわかるそうです。

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肉の水分が表面でぱちぱち弾け始めたら、あとは余熱で中まで火を通します

―― 油の色がきれいですね。揚げ物の良い匂いが……!

駒井さん 業務用の油だと大体シリコーンが添加されているんですけど、SmartKitchenではノンシリコーン、Non-GMO(非遺伝子組換え)の揚げ油を使っていて、廃油は廃油屋さんに引き取ってもらっています。

―― 廃油屋さん……?

駒井さん 廃油を引き取ってくれる業者さんがいて、そこにお渡しすると、リサイクルして再利用してもらえるんですよ。やっぱり環境のことも気になりますし。

―― 使う野菜のことだけじゃなくて、調理過程で出る廃油のことも考えているんですね。

駒井さん 自分たちのことだけを考えるのではなく、環境のことや、野菜を作る農家さんなど、全体をよくしていきたいなという気持ちがあります。リサイクルにしてもそうですけど、有機栽培をがんばっている農家さんの野菜を使うことで、こういうおいしい野菜があることが世に広まったら嬉しいですし、農家さんも、食べる人も、地球にとっても、みんなが幸せになるような循環ができればいいなと。

―― 幸せな循環……毎日おいしいランチが食べられて幸せを感じてるメンバーは多いと思います!

駒井さん 職場の仲間と食べることが幸せだったり、良いものを体に取り入れる幸せだったり、食を通じて感じられる幸せって色々あると思うんですよね。調理を通して、少しでも幸せな未来を作っていきたいです。

楽しいランチの時間です

お話しているうちに、12時を迎え、お昼の準備が整いました。

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この日のメニューは、たっぷり野菜のメンチカツ・季節野菜とひじきの胡麻和え・野菜の辛子漬け・ローズマリーポテト・季節野菜のサラダ・トマトスープ・麦ご飯です。

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食堂に人が集まってきました。食べられる分だけ、セルフサービスで取っていきます

社内のSlackにはcafeteriaというチャンネルがあり、そこでランチの感想が呟かれることもあります。

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アンケートフォームから、料理の感想を伝えることができます

―― 今日のメンチカツ、とても好評ですね!

駒井さん ありがとうございます。SmartKitchenはこだわりの食材で調理していて、みなさんの健康を考慮して味付けしているので、若干味が薄いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。普段の食事で濃い味に慣れている方も多いでしょうし、それ以前に、人それぞれ味の好みもありますから。でも、みなさんおいしいって食べてくれるので、嬉しいです。

―― 本当においしかったです。元気がでます。

駒井さん スマートニュースのミッションは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ということですよね。僕らが扱うのは情報ではなく食ですけど、良質なものを発信していきたいという思いは同じです。スマートニュースのような会社だからこそ、僕らが扱うオーガニックな食事も受け入れてもらえるのかもしれないと思っています。

―― 明日のランチも楽しみにしてますね。これから仕込みですか?

駒井さん 明日はサバの塩焼きなので、魚の骨を抜きます。そのあとは軽く事務作業をしてから帰るつもりです。

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キッチンのみんなで手分けして骨抜き。骨とるの大変そうですね、と話しかけると「でも、骨ついてると食べにくいじゃないですか」と駒井さん。

SmartKitchenのランチは、社外の方も楽しむことができます(※社員による招待が必要)。取引のある企業の方や、社員の知人の方などが日々オフィスに足を運んでくださっています。

より多くの方にSmartKitchenへ訪れてもらえるよう、今まで1日に10人だったゲスト上限も先日20人に増えました。SmartKitchen、そして会社としてのスマートニュースに興味を持っていただけましたら、ぜひお近くの社員に「社食の記事を読んだよ」とお声がけください。タイミングが合えば社食に招待できるかもしれません!

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